☆「丸い釘は丸い穴に」パーソンズの特性因子理論について☆

2022/12/15

「丸い釘は丸い穴に」パーソンズの特性因子理論について◇

「自分にとって一番適した職業は何なのか・・・」

誰もが一度はこのように考えたことはないでしょうか。
人生100年時代とも言われる昨今、人々のキャリア志向は高まりつつあります。

でも、「単に給料が良いから」「楽な仕事だから」などという理由で職業を選ぶと、長いキャリア形成を図ることは難しいようにも感じます。

もちろんそれで良いという方もいるかもしれませんが、人生の大部分を占める職業生活において、折角ならやりがいを感じる仕事をした方が充実感も得られるものだと思います。
今回、その上で知っておきたいある理論をご紹介したいと思います。



フランク・パーソンズについて(米:職業指導の父)
19世紀半ば、アメリカでは産業革命によって社会環境が激変し、劣悪な職場環境も増えて退職者が急増し、失業問題が起こっていました。
パーソンズは、若者が非人道的な労働を強いられていたり、様々な職業を転々としている状況を目の当たりにし、どうしてそのようになっているのか、どうしたらそれを救済し適職に導いてあげられるかなどを考えました。

調査の結果、彼らが適職につけないのは能力不足だからではなく、場当たり的に職を探して就職したためだと分かりました。

そして、後に
「特性因子理論」として有名になる指導方法を確立するに至ります。

この特性因子理論は
「丸い釘は丸い穴に」という言葉でも知られており、個人に最も適した職業は1つだけ存在するという考え方です。

それは個人の特性と職業の要件との一致の度合いにより決定するもので、そのマッチングを図る必要が謳われています。



職業選択の3段階モデル

特性分析・・・自分の能力、興味、資質、適正、希望、限界 など
因子分析・・・各職業で求められるスキルや報酬、将来性、成功の条件、有利・不利な点 など
 ⇩

特性と因子のマッチング:上記2つを合理的に関連付け、自分にとってベストマッチングな職業選択

またパーソンズは、
「Choosing a Vocation(職業の選択)」という著書の中で、職業はむやみに探すのではなくしっかり自己分析をし、指導を受けながら慎重に探すのが望ましいと言われています。

各仕事の役割、責任をしっかり知るために、専門家に相談することは役に立ち、安全であるとも考えています。

ただ、この理論は個人と職業の関係を厳密に考えすぎており、非常に限定的なものであるという批判がされています。
また仕事自体が自分に合っていても、職場環境や社風、人間関係などの要因がミスマッチに繋がっているケースも現代では少なくありません。

現代の職業選択では、自分の特性と企業の因子だけでなく、このような非合理的な要素も考慮しなくてはならないものです。

実際、会社を退職する者の中で、一番多い退職理由は職場の人間関係が原因であるという統計も出ています。


現代では会社の求人情報だけでなく、ネットやSNSなどでもその会社のより詳しい実情を知ることができたり、現場により精通した職業紹介会社も増えてきています。

自分だけでどうにかしようと思わず、活かせるリソースは周りにたくさんあるということを念頭に置きながら
「天職を見つけられると良いですね♪

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